BCH・BSV・BTGの末路|フォーク時に得た選択権の正体

2017年、あなたのビットコインを「改善する」と称したコインが次々と誕生しました。BCH(ビットコインキャッシュ)、BTG(ビットコインゴールド)、そしてBSV(ビットコインSV)。それぞれの創設者たちは声高に主張しました——「これが本物のビットコインだ」と。

約7年が経った今、その3つはどこにあるのでしょうか。

「本物のビットコイン」を巡る争い

BCHは2017年8月に誕生しました。ブロックサイズを8MBに拡大し、「日常決済のためのビットコイン」を旗印に掲げました。同年10月にはBTGが登場し、採掘アルゴリズムをASICが使えない方式に変更することで「採掘の民主化」を訴えました。さらに2018年11月、BCH自体が内部分裂してBSVが誕生します。

「本物のビットコイン」を名乗る存在が、こうして3つになりました。

失敗の記録

BTGは2018年5月、51%攻撃を受けました。攻撃者がネットワークのハッシュレートの過半数を掌握し、二重支払いを実行。取引所に対して複数回にわたる不正出金が確認され、ネットワークのセキュリティが根本から崩壊した形になりました。ビットコインが15年以上にわたってこの種の攻撃を受けていないという事実と、これほど残酷な対比はありません。

BSVは2019年、BinanceやKrakenなど主要取引所が相次いで上場廃止を決定しました。創設者のクレイグ・ライトが批判的な研究者や開発者に対して法的脅迫を繰り返したことが引き金でした。市場から孤立したBSVはその後も低迷を続け、「本物のビットコイン」の面影はありません。

BCHは2018年の再分裂(BCH対BSV)自体が、プロジェクトの崩壊を象徴していました。「本物のビットコイン」を主張する陣営が、さらに「本物」を巡って内輪で争い分裂したのです。ネットワーク効果を積み上げるどころか、自ら拡散して希薄化していきました。

3つのフォークに共通するのは何でしょうか。中央集権的な意思決定構造、特定の人物への依存、そしてセキュリティの脆弱性です。これらはビットコインが意図的に排除してきた要素そのものです。

取引所に預けていた人が受け取れなかったもの

フォークには、見落とされがちな側面があります。

ビットコインのフォークが発生した際、フォーク時点でそのアドレスに残高があった人には、新しいチェーン上でも同量のコインが付与されます。ブロックチェーンが分岐した瞬間のスナップショットがそのままコピーされるからです。

しかし取引所にBTCを預けていた場合、話は変わります。秘密鍵を管理しているのは取引所であり、フォークコインの受け取り対応は各取引所の判断に委ねられていました。対応した取引所もありましたが、対応が遅延したり、一部のフォークコインを付与しなかった取引所も存在しました。自分の秘密鍵でウォレットを管理していた人は、フォーク後にどのチェーンの残高にアクセスするか、自分で選択できる状態にありました。

もっとも、その後3つのフォークコインは大幅に価値を失いましたから、受け取れたかどうかが経済的に大きな意味を持ったとは言い切れません。ただ、「選択権を持っていたかどうか」という点では、秘密鍵を持つ人と持たない人の間に明確な差がありました。

フォークの失敗が証明したこと

3つのフォークの末路は、逆説的に「本物のビットコイン」が何であるかを証明しました。

ビットコインに価値があるのは、それが変わらないからです。誰かが「改善」を主張して書き換えようとしても、ネットワーク参加者の大多数が拒否できるルールが機能している。51%攻撃が現実的に不可能なほどハッシュレートが高い。特定の開発者や組織が意思決定を独占できない。

フォークコインはこのどれかを犠牲にしていました。BCHは内輪で分裂し、BTGは攻撃され、BSVは市場から弾き出されました。「本物のビットコイン」を自称するほど、その主張は歴史に記録として残ります。時間が審判を下したと言えます。

あなたの鍵が問うもの

BCH・BSV・BTGの失敗は過去のエピソードとして語られることが多いですが、今も問い続けることができます——なぜ自分の秘密鍵でビットコインを管理するのか、と。

フォーク配布時の選択権にせよ、資産へのアクセス権にせよ、これらは秘密鍵を持たない限り取引所に委ねた状態になります。フォークが証明したビットコインの不変性を信じるなら、その資産を守る原則も変わりません。

ハードウェアウォレットを用意し、シードフレーズを安全な場所に保管することから始めてください。選択権は、鍵を持つ者にだけ宿ります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

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