難易度450回・17年ゼロ遅刻のBTC|取引所が断ち切る信頼性
あなたのビットコインに関わるアルゴリズムが、この17年間一度も止まらず動き続けているとしたら、その信頼性を何と比較しますか。
ビットコインのブロックは、約10分ごとに生成されます。2009年1月のジェネシスブロックから、今日まで一度もその間隔を「人間の命令で」修正したことはありません。遅延も、緊急メンテナンスも、取締役会の承認も不要。アルゴリズムが自動でそれを実現し続けています。
難易度調整という「自動パイロット」
ビットコインは2016ブロックごと、おおよそ2週間に一度、採掘難易度を自動で再計算します。マイナーが増えてハッシュレートが上がれば難易度を引き上げ、マイナーが減って計算力が落ちれば難易度を引き下げる。目標は常に「1ブロック=約10分」です。
2009年の誕生時、難易度は「1」でした。現在は約100兆超。この数字は、当時と比べてどれほど膨大な計算力がネットワークに集まっているかを示しています。それでも10分間隔は変わっていない。約2週間ごとに1回の調整が実行され、今日までに約450回、積み重ねられてきました。
この仕組みに、承認を出す担当者はいません。議決を取る委員会もありません。プロトコルに書かれたルールが、ただ粛々と実行されるだけです。難易度が1から100兆超に変化した事実は、ネットワークの参加者が増え続けた歴史の記録であると同時に、その全過程を人間の介入なしに処理したアルゴリズムの証明でもあります。
「止まらない」と「あなたを守る」は別の話
ビットコインのネットワーク自体はほぼ確実に動き続けます。中国が採掘を一斉禁止した2021年、世界のハッシュレートは急落しました。しかし難易度調整がそれを吸収し、数週間後にはネットワークが正常ペースを取り戻しました。誰かが意図的に止めようとしても、プロトコルは動き続ける。その堅牢性は実証済みです。
ただし、このアルゴリズムが守れるのは「ネットワーク上のビットコイン」です。あなた個人の保有にとって、それがどこまで意味を持つかは、秘密鍵を誰が管理しているかによって決まります。
取引所にビットコインを預けている状態では、秘密鍵はあなたの手元にありません。ネットワークは10分ごとにブロックを刻み続けますが、あなたがそのビットコインを動かせるかどうかは、取引所のシステムが正常に稼働しているかどうかにかかっています。アルゴリズムの信頼性と、取引所の信頼性は、まったく別の次元の話です。
アルゴリズムが届かない場所
取引所が突然、出金を停止する事例は現実に起きています。システム障害、規制当局による業務停止命令、経営破綻。理由はさまざまですが、いずれの場合も「ネットワーク自体は動いている」のに「あなたのビットコインは動かせない」という状況が生まれます。
ビットコインのアルゴリズムは100兆超の難易度でも10分を守りますが、取引所の経営状態、システムの堅牢性、規制当局との関係性は守ることができません。その部分は完全に「人間が管理する領域」です。
日本では暗号資産交換業者に顧客資産の分別管理が義務付けられており、法律上の保護は存在します。しかし、業者が実際に経営危機に陥ったとき、法的整理が完了するまでの数ヶ月から数年、あなたはビットコインにアクセスできない可能性があります。マウントゴックスの事例では、2014年の破綻から実際の弁済まで10年以上かかりました。その間、ビットコインのネットワークは止まることなく動き続けていました。
450回の信頼を、あなたの秘密鍵に接続する
難易度調整が450回繰り返された事実は、ビットコインというプロトコルへの信頼の根拠になります。しかし、その信頼はあなた自身の資産管理に自動的には接続されません。秘密鍵を自分で管理して初めて、プロトコルの信頼性があなたの保有に直結します。
ハードウェアウォレットにビットコインを移し、シードフレーズを安全な場所に保管する。それだけで、取引所の経営判断や障害、規制の変化に左右されずにビットコインを保持できます。取引所のシステムがメンテナンス中であっても、どこかの国が規制を強化しても、あなたのビットコインはネットワークが動いている限りアクセスできます。
17年間、一度も遅刻しなかったアルゴリズムを信頼するなら、そのプロトコルへのアクセス権を他者に委ねたままにしておく理由はありません。
まず一つ、自分のウォレットを用意することから始めてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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