BTC往復で10%消える|「手数料0円」販売所スプレッドの正体

「手数料0円」と表示されているのを確認して、安心してBTCを購入した経験はありませんか。その「0円」は嘘ではありません。しかし正確でもありません。

販売所スプレッドという見えないコスト

日本の取引所が運営する「販売所」では、提示されるBTC価格に3〜7%程度のスプレッドが上乗せされています。スプレッドとは、取引所が設定する購入価格と売却価格の差のことです。手数料という名目では徴収されないため、画面の手数料欄には「0円」と表示されます。

100万円でBTCを購入しても、実際に取得できるBTCの市場価値は93〜97万円相当です。差額の3〜7万円が取引所の収益として価格に組み込まれており、明細には一切現れません。多くの利用者が気づかないまま取引を続けています。

「売るとき」にも同じコストが発生する

ここからが本題です。スプレッドは売却時にも同様にかかります。

100万円相当のBTCを売却しようとしても、手元に戻る金額は93〜97万円程度です。市場価格と取引所の提示価格に再びギャップが生じるためです。

往復で計算すると、価格が全く変動しなかった場合でも、手元に残るのは約90万円です。最大で10万円が取引コストとして消える計算になります。「少し上がったから利確しよう」と動いた結果、スプレッドコストだけで大きく損をするというケースは、構造として発生し得ます。

板取引との比較で見えてくること

同じ取引所のサービスでも、「取引所(板取引)」を使った場合はコスト構造が大きく異なります。板取引の手数料は、取引所によって差はありますが、往復でも0.1〜0.2%程度です。

販売所の往復コスト(最大10%)と比較すると、50倍以上の差になります。月10万円を積み立てる場合を考えると、販売所では年間6万円超がスプレッドコストとして消え、板取引ではその50分の1以下に抑えられます。10年間の積み立てで比較すると、この差は非常に大きくなります。

多くの人が販売所を使い続けているのは、操作が簡単で、購入フローが直感的に設計されているからです。板取引は少し画面が複雑に見えますが、同じ取引所内で提供されていることがほとんどです。

コストを下げた先に、もう一段階ある

板取引への切り替えでコストを大幅に下げることができます。しかしそれは「取引コストの最適化」であり、BTCの管理権を自分で持つこととは別の問題です。

取引所にBTCを置いたままでは、秘密鍵は取引所が保有しています。取引所に何らかの問題が発生した場合、引き出せなくなるリスクは消えません。国内外で複数の取引所が破綻し、利用者がBTCにアクセスできなくなった事例は過去に存在します。

コストを最小化してBTCを取得したら、できる限り速やかに自己管理ウォレットに移す。この2段階が揃って初めて、本当の意味でのBTC保有になります。

「知っている人」と「知らない人」の差

販売所スプレッドの仕組みは、利用者が自ら調べなければ気づかない構造になっています。「手数料0円」という表現が前面に出る中、実質的なコストは価格に埋め込まれており、開示形式も統一されていません。

長期保有を前提にBTCを積み立てるなら、まず板取引への切り替えを検討する価値があります。次のステップとして、取引所で取得したBTCをハードウォレットに移す手順を学ぶことです。この2つを実行しているかどうかで、10年後の保有量は大きく変わります。

スプレッドの存在を知ってから次の購入ボタンを押すかどうか、一度立ち止まって確認してみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

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