アルト全売りで正解だったのに凍結|LUNA崩壊49日後の連鎖構造
2022年5月、アルトコインが次々と崩壊していく様子を横目に、すでにビットコインだけを残していた人たちがいました。LUNAが4日間で99.9%暴落する中、「やはりビットコインだけで良かった」と静かに安堵した瞬間を覚えている方もいるはずです。
その判断は、間違っていませんでした。ただ、49日後に届いた「全出金停止」の通知は、正しい判断だけでは届かない盲点を突いてきました。
アルトを持っていなくても凍結された構造
2022年5月のUST/LUNA崩壊は、400億ドル超の資産を数日で消し去りました。その衝撃波は、アルトコインを一切持たない人々にも波及しました。
アメリカの取引所Voyager Digitalは、ヘッジファンドの3AC(Three Arrows Capital)に6億5000万ドルを貸し出していました。3ACはLUNA崩壊で直接的な打撃を受けて破綻し、Voyagerへの返済が不能になった。その結果、2022年7月1日、Voyagerはすべての出金と取引を停止します。
この停止は、アルトコイン保有者だけに適用されたわけではありませんでした。ビットコインのみを保有し、アルトには一切手を出さなかったユーザーも、同じ凍結に巻き込まれました。「私はアルトを避けた」という判断は正しかった。しかし、その判断だけでは守りきれなかったのです。
取引所収益の構造がリスクを全員で共有させる
なぜビットコインだけ持っていても影響を受けたのか。理由は取引所の収益構造にあります。
Voyagerの収益の多くは、アルトコインの取引手数料や、3ACのようなファンドへの貸付金利から生まれていました。ビットコインだけを持つユーザーも、そのアルト依存型の収益モデルの上に成り立つサービスを利用していた。取引所自体が倒れれば、保有するコインの種類に関わらず、全員の出金が止まります。
これは偶発的な事故ではなく、構造的な問題です。取引所がアルトコインの投機から収益を得る以上、そのリスクはプラットフォーム全体に分散します。「私はアルトを避けた」という個人の判断は正しい。しかし、その判断はアルト依存型の取引所を使い続ける限り、構造の外には出られません。
秘密鍵がなければ正しい判断が完成しない
Voyagerの出金停止は、その後1年以上続きました。破産手続きの中で資産が少しずつ返還され始めるまで、ユーザーは自分の資産にアクセスできない状態が続きました。
その間、ビットコインの価格は動き続けました。暴落した時期もあれば、回復に向かった局面もあった。「今、動かしたい」と思う日があったとしても、動かす権限がない状態がずっと続いていた。
秘密鍵とは、ビットコインネットワーク上で「この資産を動かす権限がある」ことを証明する唯一の手段です。取引所に預けている間、その権限は取引所が持っています。あなたが持っているのは、取引所のサービスを通じたアクセス権です。取引所が正常に機能している間はそれで十分に見えますが、機能不全に陥った瞬間、アクセス権は停止します。
アルトを避けるという判断は正解でした。しかしその正解は、秘密鍵を自分で管理することで初めて完成します。
同じ連鎖は別の形で繰り返される
2022年の一連の崩壊は、LUNA→3AC→Voyager→BlockFi→FTXという形で連鎖しました。それぞれは独立した事件ではなく、アルトコインへの過度な依存という共通の構造から生まれていました。
アルト依存の収益モデルを持つ取引所が存在し続ける限り、同じ連鎖が別の形で発生するリスクは消えません。次の連鎖崩壊が来たとき、今あなたのビットコインが置かれている場所は、その連鎖の外にあるでしょうか。
正しい判断と、動かせる権限。この2つが揃って初めて、ビットコインの保有は完結します。ハードウォレットへの移行を、今日から一歩進めてみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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