ビットコインを持ち続けた人と売った人|8年後の差は10倍

2024年、1BTCは1000万円を超えた。2016年当時の購入価格は約5万円だった。その差は200倍だ。にもかかわらず、その恩恵を受け取れなかった人が日本に無数にいる。

同じスタートから8年で10倍の格差

2016年に、まったく同じ条件で1BTCを約5万円で購入した2人がいたとする。

Aさんは2017年末、価格が約200万円に達したタイミングで売却した。利益は195万円。日本ではビットコインの売却益は雑所得として総合課税され、最大55%(所得税45%+住民税10%)の税率が適用される。課税後に手元へ残ったのは約93万円だった。

Bさんは売らなかった。購入直後にハードウォレットへ移し、価格がどれだけ動こうとも保有を続けた。2024年に同じ1BTCは1000万円を超えた。

93万円と1000万円超。同じ出発点から、8年で10倍を超える差が生まれた。

問題は課税ではなく「持てなかった構造」

「55%も取られるのが問題だ」と言いたくなる気持ちはわかる。だが、Aさんの本当の問題は課税ではない。なぜなら、Bさんも同じ日本の税制の下にある。Bさんが課税されていないわけではなく、売っていないから課税が発生していないだけだ。

問いは変わる。なぜAさんは売り、Bさんは売らなかったのか。

取引所に預けているビットコインには、常に外部のリスクが存在する。出金制限、取引遅延、本人確認の追加要求、あるいはシステム障害。2017年末のバブル期、日本の主要取引所では混雑や遅延が相次いだ。そのような環境下では「いつ引き出せなくなるかわからない」という不安が、売却の判断を早める動機になる。

加えて、取引所に置いている間は常に「今すぐ売れる」という状態が続く。価格が急騰すれば心理的なプレッシャーは否応なく高まり、インターフェースから数タップで売却が完結してしまう。

秘密鍵が「持ち続ける構造」を作る

Bさんとの違いは、意志の強さではなく構造の差だ。

ハードウォレットに移すということは、取引所というフィルターを経由せずにビットコインを保有するということだ。価格変動があっても、取引所が出金制限をかけても、外部から動かされることはない。「持ち続ける」という選択は、常に自分の手の中にある。

秘密鍵を自分で管理していれば、売るためには自分でアクションを起こす必要がある。衝動的な売却がしにくくなる構造だ。逆に言えば、取引所に置いたままであれば、保有し続けることを妨げる要因が常に外部に存在する。どれだけ「持ち続けたい」と思っていても、その意志を試す状況が繰り返し訪れる。

次のサイクルも同じ罠は来る

ビットコインの価格サイクルは終わっていない。4年ごとの半減期を経て、大きな価格変動が繰り返されてきた歴史がある。次のバブルが来たとき、取引所に預けたままのBTCを持つ人は、Aさんと同じ場所に立つことになる。

「次こそ売らない」という決意は、構造が変わらない限り試され続ける。外部からの制限、心理的なプレッシャー、インターフェースの手軽さ。これらはすべて、取引所保管を続ける限り変わらない。

Bさんが8年間持ち続けられた理由は、最初に構造を変えたからだ。保有量が増えるほど、そのリスクも比例して大きくなる。今のうちにハードウォレットへ移し、秘密鍵を自分で管理する体制を整えることが、次の分岐点で同じ選択肢を持つための出発点になる。

93万円で終わるか、1000万円を受け取るか。その分岐は、鍵をどこに置くかで決まった。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

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