BTCが生まれる瞬間から秘密鍵へ|Bitaxeの設計原理
あなたが取引所でビットコインを購入したとき、そのBTCはどこにあるのか。取引所のデータベース上の数字だ。出金を申請し、本人確認を通過し、ネットワークの混雑を待ってはじめて、BTCはあなた自身のアドレスに到達する。「購入した瞬間」と「自分の鍵で管理できる瞬間」の間には、取引所という不透明な第三者が介在している。
2009年、サトシ・ナカモトはPC一台でビットコインを採掘した。採掘報酬が届いた先は、取引所のウォレットではない。彼自身が制御する鍵のアドレスだった。取引所への入金も出金申請も本人確認も、一度も必要なかった。
採掘が変わった17年間
ビットコインのネットワークが成長するにつれ、採掘は個人の手を離れた。競争が激化し、特殊な半導体チップを搭載したASICマシンが登場した。今日では上位3つの採掘プールが全ハッシュレートの過半数を占め、どのトランザクションをブロックに含めるかを事実上決定する権限を持つ。
個人が採掘に参加するには、プールに接続して算出したハッシュを提供し、プール全体の成功報酬から自分のシェアを受け取るという間接的な方法が一般的になった。採掘機を自分で動かしていても、報酬の流れを管理するのはプール運営者だ。
取引所でBTCを購入し、採掘プールがネットワークを支配する——この構造の中で、「自分でBTCを採掘し、自分の鍵に直接届ける」という2009年の設計は、ほぼ消滅していた。
Bitaxeが持つ設計の純粋さ
Bitaxeはオープンソースの個人向け採掘ハードウェアだ。回路設計はGitHub上に公開され、消費電力は15ワット程度。産業用ASICマシンに比べれば採掘効率は比較にならない。それでも、Bitaxeが体現しているのはサトシの設計に直接対応した一点だ。
採掘報酬の受取先に、あなた自身のウォレットアドレスを設定できる。
ブロックを発見した際——ソロマイニングでは低確率だが、確率はゼロではない——報酬はプールの管理者を経由せず、指定したアドレスに直接届く。BTCが「生まれた瞬間」から、すでにあなたの鍵の管理下にある。取引所のデータベースに登録された数字として存在したことは一度もない。
分散化への参加という行為
一台のBitaxeがネットワーク全体に与える影響は、数字の上では無視できるほど小さい。しかし問題の立て方を変えると意味が変わる。
採掘プールへの権力集中を懸念するなら、個人が直接ネットワークにハッシュレートを提供することが、その対抗手段になる。Bitaxeが世界中の個人に普及すれば、プールが支配するハッシュレートの割合は相対的に低下する。一台の影響は小さくても、選択肢としての意味は大きい。
さらにBitaxeは、オープンソースプロジェクトとして設計思想自体が透明だ。ハードウェアに何が実装されているか、ソフトウェアがどう動いているかを、誰でも検証できる。採掘機メーカーの意図や設計を信頼するしかない産業用マシンとは、この点で根本的に異なる。
BTCはどこで生まれたか
取引所から出金したBTCは、どこかの採掘プールが生成し、取引所の口座に入金され、あなたの出金申請を経て届いた。その過程に何人の第三者が関与していたか、検証することはできない。
Bitaxeで採掘されたBTCは、あなたが設定したアドレスに最初から届く。経路は短い。関与する第三者はいない。それがビットコインの本来の設計だった。
採掘効率の最大化を求めるなら、Bitaxeは正解ではない。しかし「BTCの管理権を、生まれた瞬間から自分で持つ」ことに意義を感じるなら、Bitaxeはその問いへの一つの答えになる。
あなたのBTCは、どの経路で手元に届きましたか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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