銀行再開後も2年間封鎖|キプロス資本規制と取引所BTCの盲点

2013年3月、キプロスの銀行が約2週間の閉鎖から再開したとき、預金者たちはほっと息をついたはずです。最悪の局面は過ぎた。窓口に並べば、少なくとも残った資産は動かせると思ったことでしょう。

しかし、その安堵は早かった。

「危機が終わった」後から始まった本当の封鎖

2013年のキプロス危機は、ベイルインによる預金損失として記憶されています。10万ユーロ超の預金の約47%が強制的に株式へ転換され、ライキ銀行は完全に消滅。大口預金者は事実上ほぼ全額を失いました。

これだけでも壊滅的な出来事ですが、問題はそこで終わりませんでした。

銀行が再開した後も、資本規制は続いていました。海外への送金は厳しく制限され、大口の現金引き出しには上限が設けられました。ベイルインの被害を免れた人も含め、キプロスの預金者は自分の資産を自由に動かすことができない状態が長く続いた。

その期間は、2015年4月まで。銀行が再開してから約2年間です。

「危機が終わった」後から続く静かな封鎖。これがキプロス危機のもう一つの本質です。

法律は「守ってくれる」ではなく「変わりうる」

当時のキプロス人も、法的な保護制度の存在を信じていました。EU加盟国であり、預金保護の仕組みがあり、銀行は規制の枠組みの中にあった。「自分の預金は守られている」という感覚は、根拠のない楽観ではありませんでした。

しかし2013年3月の週末に下された決定は、その前提を覆しました。

重要なのは、ベイルインも資本規制も、すべて法的手続きの範囲内で実行されたという点です。違法ではなかった。法律は状況に応じて変わりうる。「法律が守ってくれる」という感覚は、制度の枠組みそのものが揺らいでいないときにしか機能しません。

取引所に預けたBTCも、構造は同じです

取引所に預けているビットコインは、日本の資金決済法に基づいて分別管理されており、法的にはあなたの資産です。しかしそれは「法的にあなたのもの」であることを意味するのであって、「いつでも自由に引き出せる」ことを保証するものではありません。

出金を実行できる権限は、取引所が持っています。

取引所の経営が傾いたとき、あるいは規制当局から命令が下りたとき、出金は止まります。その止まり方は、ベイルインのような劇的なものだけではありません。資本規制のような形で、静かに、長く続くこともあります。キプロスが示したように。

取引所が倒産しなくても、規制当局の命令一本で出金制限は始まりえます。その制限がいつ解除されるかを、あなたは決めることができません。

秘密鍵が唯一の出口

自分で秘密鍵を管理していれば、出金の許可を誰かに求める必要がありません。取引所の経営状況も、規制当局の判断も、あなたのビットコインの移動には関係しない。ビットコインネットワークが動いている限り、自分のタイミングで動かせます。

キプロスの預金者には、その選択肢がありませんでした。銀行システムの中に資産があった以上、システムの制約を受けるしかなかった。

あなたには、まだ選択肢があります。

ハードウォレットを用意して、取引所のビットコインを移す。手順は確立されており、難しくありません。難しいのは「今のところ何も起きていないから後でいい」という判断を変えることです。

2年間出金できなかったキプロスの人々も、封鎖が始まる前日まで、同じことを思っていたはずです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

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